夏のパソコン熱対策(熱暴走・突然の電源断を防ぐ)
パソコンは熱くなりすぎると、部品を守るために自分で速度を落とし、それでも下がらなければ電源を切ります。夏の熱対策の基本は、置き場所と空気の通り道を整えること。数年使ったパソコンなら、内部のホコリの掃除がよく効きます。
結論:空気の通り道を確保し、ホコリを取る
熱対策で大切なのは、「冷やす」ことより「熱を逃がす」ことです。パソコンはファンで外の空気を吸い込み、中の熱を排気口から追い出して冷えています。夏は吸い込む空気そのものが熱いため、この仕組みの余裕が小さくなります。
- 部屋を涼しくする:人が暑いと感じる部屋は、パソコンにとっても暑い部屋です。
- 吸気口・排気口をふさがない:布団・ソファ・クッション・ひざの上では使わない。
- ホコリを取る:数年使ったパソコンは、内部のホコリが熱のこもる原因になっていることがよくあります。
この 3 つで改善しなければ、ファンの故障や放熱グリスの劣化など、部品の側の問題を疑います。
熱くなると、パソコンに何が起きますか
- 動作が遅くなる:CPU が温度を下げるために、自分で処理の速さを落とします(サーマルスロットリング)。故障ではなく保護の仕組みですが、作業ははかどらなくなります。
- 突然電源が切れる:温度が限界を超えると、部品を守るために電源が落ちます。保存していない作業は失われ、書き込み中のファイルが壊れることもあります。
- 部品の寿命が縮む:高い温度が続くと、基板・記憶装置・ファンの劣化が早まります。
- バッテリーが傷む:ノートパソコンのリチウムイオン電池は熱に弱く、劣化や膨張が早まります。
「熱暴走」は、熱で動作が不安定になり、固まる・勝手に再起動する・電源が落ちる、といった状態をまとめて指す言葉です。
熱がこもっているサイン
- 夏になってから、使い始めは快適なのに、しばらくすると遅くなる。
- 何もしていないのに、ファンが全開で回り続ける。
- 排気口から出る風が、熱いのに弱い。
- キーボードの周りや底面が、触っていられないほど熱い。
- 動画や Web 会議の途中で、画面が固まる・電源が落ちる。
タスク マネージャー(Ctrl+Shift+Esc)の「パフォーマンス」で CPU を選ぶと、今の「速度」が表示されます。重い作業中なのに速度がふだんより大きく下がっていれば、熱で性能を落としている可能性があります。
夏の置き場所
- 閉め切った部屋で使わない。留守中に閉め切った夏の部屋は、帰宅したときにかなりの高温になっています。エアコンで部屋を冷やしてから電源を入れます。
- 窓際の直射日光を避ける。黒い本体は、日に当たるだけで熱くなります。
- 夏の車内に置きっぱなしにしない。短い時間でも車内は高温になり、バッテリーや液晶を傷めます。
- ノートパソコンは、平らで硬い机の上で使う。スタンドで奥を持ち上げると、底面に空気の通り道ができます。扇風機で周りの空気を動かすのも効果があります。
- デスクトップは、壁や家具から少し離して置く。扉の付いたラックや、机の下の狭いすき間に押し込まない。
設定と使い方でできること
- 使っていないアプリやブラウザーのタブを閉じる。動画の再生や Web 会議は、特に熱を出します。
- 電源モードを見直す。「設定」→「システム」→「電源とバッテリー」(デスクトップは「電源」)の「電源モード」を「最適なパフォーマンス」から「バランス」や「最適な電力効率」に変えると、少し速度と引き換えに発熱が抑えられます。
- メーカーの管理アプリに、静音や冷却を優先するモードがある機種もあります。
- 長時間の動画編集やゲームは、涼しい時間帯にする。
- ノートパソコンをかばんに入れる前は、スリープではなくシャットダウンする。スリープのつもりが動き続け、かばんの中で熱くなることがあります。
ノートパソコンの冷却台は効きますか
ファン付きの冷却台は、底面から空気を吸い込むノートパソコンには効果があります。選ぶときは、本体の底面の吸気口の位置と、冷却台のファンの位置が合うかを確かめます。吸気口が側面やキーボードの周りにある機種では、効き目は小さくなります。
ただし、冷却台はあくまで補助です。内部がホコリで目詰まりしていれば、外からいくら風を当てても熱は逃げません。冷却台を使っても熱いままなら、内部の清掃を考える時期です。
やってはいけない冷やし方
- 保冷剤・氷・冷えたペットボトルを本体に当てる。急に冷やすと内部に結露し、基板がぬれることがあります。
- 冷房の効いた車や部屋から蒸し暑い場所へ持ち出して、すぐに電源を入れる。本体が冷えたままだと結露します。しばらく置いて、周りの温度になじませてから使います。
- デスクトップのケースを開けたまま使う。ケースを閉じた状態で風の通り道ができるように作られているため、開けるとかえって冷えないことがあり、ホコリも入りやすくなります。
- エアダスターを、ファンのすぐそばで吹き付ける。ファンが勢いよく空回りして軸を傷めたり、ホコリを奥へ押し込んだりします。
いちばん効くのは、内部のホコリの掃除です
数年使ったパソコンの中では、ファンの羽根や、熱を逃がす金属のひだ(放熱板)にホコリが積もっています。ここが目詰まりすると、ファンがいくら回っても風が通らず、熱が逃げません。外から払えるのは吸気口の表面だけで、奥のホコリは分解しないと取れません。
- 簡易クリーニング(3,300円):ファンや放熱板にたまったホコリを取り除きます。
- 薬剤クリーニング(5,500円):ホコリやカビの蓄積が多い場合に、薬剤を使って入念に清掃します(分解が必要な場合は別途お見積り)。
- CPUファン交換(作業 デスクトップ/一体型/ノート 4,100/6,600/6,600円+部品):ファンの軸がすり減って回らない・擦れる音がする場合。
ペットのいる部屋、たばこを吸う部屋、床に直接置いたデスクトップは、ホコリがたまりやすくなります。暑くなる前に点検しておくと、夏を安心して乗り切れます。
熱とバッテリーの関係
ノートパソコンのバッテリーは熱で劣化が早まり、劣化が進むと膨らむことがあります。夏が過ぎてから急に電池の持ちが悪くなった、タッチパッドやキーボードが浮いてきた、という場合は、熱で傷んだ可能性があります。
充電しながら重い作業をすると、電池の温度も上がります。メーカーの管理アプリで満充電の上限を 80% 前後に抑えられる機種は、暑い時期だけでも設定しておくと、電池の傷みを抑えられます。
膨らんでいる場合は、充電をやめて使うのを中止し、押したり穴を開けたりしないでください。詳しくはバッテリーが持たない・膨らんだをご覧ください。
お店に相談したほうがいいとき
- 対策をしても、電源が落ちる・固まる状態が続く。
- ファンから「カラカラ」「ジー」と擦れる音がする、または全く回っていない(異音がする・本体が熱い)。
- 涼しい部屋で使っても、起動のときから動作が遅い。熱ではなく、記憶装置やメモリが原因かもしれません(動作が遅い・固まる)。
- バッテリーが膨らんでいる。
当店では、必要に応じて分解して内部の状態を確かめ、清掃で足りるか、ファンの交換が必要かをお伝えします。診断・お見積りは0円で、清掃は当日が目安です。作業をご依頼にならなければ費用はかかりません。
関連する症状と修理
症状ごとの原因・総額の目安・修理の流れは、それぞれのページで詳しくご案内しています。診断・お見積りは0円です。